トピックス
No.400【会社は細り命を落とし、個人は太って命を落とす】-2006.4.5
更に読む...
 
Home
No.1002 ≪労働生産性100万円を実現する≫-2018.2.16

No.1002 ≪労働生産性100万円を実現する≫-2018.2.16 目加田博史

 

20121226日に、安倍政権が発足以来、アベノミクスを支持しています。今も、その考え方に変わりはありません。当時の閉塞感を打開するには、従来にない画期的な発想と英断が必要でした。中でも「黒田バズーカ効果」は非常にわかりやすく、1年で、1$=85円の円高から1$=105円の円安にシフトし、輸出企業の業績を好感して株式も上昇し、高揚感が漂い始めました。

徐々に、経済が活性化し、会社もなんとなく良い方向に向かい、仕事も徐々に増えてきて、経済指標は記録更新を繰り返しています。好景気だといわれても、今一つ、生活実感はないでしょうが、着実に改善しています。
オリンピック後が見えないので、漠然とした不安を抱えながら経営しているため、企業も大胆な手(投資・待遇改善)を打ちにくいのが現状です。しかし、経済は着実に成長しています。当然、「禍福はあざなえる縄のごとし」ですから、危機も同時に成長していますが。

いま、働き方改革が脚光を浴びています。労働法を改正し、長時間労働を是正し、労働生産性を改善する。結果として、給与アップを図り、個人消費を活発化して、GDPを成長させるとともに、デフレから脱却するという目論みです。アベノミクスの「第三の矢」(懐かしい響きですね)が起動しています。

2017年版の労働生産性の国際比較で、日本は19位です。アメリカは6位。ドイツは8位。これは、一人当たりGDPを表しています。金額ベースで見れば、日本(19位)は41,574$、アメリカ(6位)は57,591$、ドイツ(8位)は48,989$です。赤ちゃんも、100歳のベテランも含めた場合ですから、なんとなく漠然としてピンとこないですね。これを就業者1時間当たりで見ると、日本(19位)は46$、アメリカ(6位)は70$、ドイツ(8)68$です。労働者が1時間当たり生み出す付加価値を表します。アメリカと比較すると、1時間当たり24$低いのです。ドイツと比べると22$低いのです。これだとわかりやすいですね。

私たちが日常使っている経営分析に、企業の生産性の基準となる労働生産性(人月限界利益)という指標があります。基準は1,000千円です。1$=110円、月間法定労働時間160時間で比較すると、日本(19)801千円、アメリカ(6位)は1,225千円、ドイツ(8位)は1,197千円となります。会社が目指すべき当面の目標である、労働生産性1,000千円を実現する必要性がこれからもうかがえます。

年間労働時間は、日本はこの10年で随分と改善し、1719時間となり、アメリカの1790時間を追い抜きました。アメリカより働かなくなってしまったのです。ドイツは1371時間ですから、週休3日制の国で、別格です。ドイツ製の製品が高性能・高品質・高価格のなのは当然ですね。
平均週間労働時間は、日本は41時間、アメリカは41時間、ドイツは40時間ですから、ほとんど変わりません。
変わるのは、祝日休暇と有給休暇の消化日数です。年間休日はというと、日本は137日、アメリカは128日、ドイツは145日なのです。最低賃金も日本は823円ですが、アメリカは800円(1$=110円換算)です。低賃金長時間労働をしているのは、日本よりもアメリカです。なのに、国際比較では圧倒的な上位にいる。なぜでしょうか?

「働く時間の長さで勝負する時代は終わった」と言われますが、働く時間の長さは、人生のある一定時期、20代~30代では絶対的に必要だと思っています。
問題は仕事の仕方です。私が社会に出たころは、まだワープロなるものが世に出ていない時代でしたから、文書は手書きでしたし、データ処理は磁気テープにパンチするやり方でした。いかにきれいに早く書くか、いかに正確にパンチするかは、熟練しかありません。時間をかけて練習するしかなかったのです。
今は、パソコン、スマホ全盛で、同じ目的を果たすには、テクノロジーを使いこなせるかどうかで生産性が変わります。テクノロジーを使いこなすには、やはり一定の時間が必要です。後10年もすれば、自動運転、自動操作は当たり前で、テレパシー通信を標準装備するでしょうから、頭の中でいかに文章化し、グラフィック化するかが生産性を分ける時代になるはずです。

元に戻すと、労働生産性の国際比較を改善するには、個人の努力の問題ではなく、国の産業構造をどのように改革するかで決まってしまうということです。アメリカの産業構造は製造・金融・IT・通信及びその知財分野で付加価値を創造し、GDPを稼いでいます。NASAから生まれたデリバティブ、ゲイツのWindows、ジョブスのiPhone、ベゾスのamazon等が付加価値を生んでいます。就業者1時間あたり最低賃金は安くとも、一人当たりGDPが高くなるのは、産業構造の創造性に依存しています。これは政治家の仕事です。私たちができるのは政治家を選ぶ事です。

日本がどのような国柄を目指すのかによって産業構造は変わるでしょうが、会社は環境適応して存続しなければなりません。その基本条件が、人月当り労働生産性1,000千円であり、これを実現するための具体策を取らねばならないのです。人年労働生産性が12,000千円になれば、労働分配率50%でも、年収6,000千円にすることも可能です。それでも、一人当たり経常利益は2,000千円出せるはずです。安倍政権の働き方改革の旗振りをきっかけに、人月労働生産性1,000千円を実現するための改革に着手しましょう。「M脳職人」を増やしましょう。

 
No.1001 ≪「M脳職人」の時代がやってくる≫-2018.2.8

No.1001 ≪「M脳職人」の時代がやってくる≫-2018.2.8 目加田博史

 

もうすでにお読みの方も多いと思いますが、河合雅司氏の「未来の年表」がベストセラーになっています。深刻な危機の中で鈍感で呑気な日本人に警鐘を鳴らしている書です。一読をお勧めします。
着実に増え続ける世界人口の中で、着実に減り続ける日本人口は、明らかに異常事態です。戒厳令発令レベルの深刻な状態ともいえます。

毎年1億人増える世界人口は、2020年に約77億人になり、2010年にピークを迎えた日本の人口は400万人減少して1億2400万人になると言われています。私が平均寿命に近づくころには、世界人口は約100億人になり、日本の人口は1億200万人になっていることでしょう。その頃は、火葬されるまで1か月はどこかの霊安ホテルで時間をつぶさねばならないかもしれません。

それはさておき、この深刻な事実を踏まえて、中小企業が手を打たねばならないことは、10年先の事です。幕末の昌平坂学問所の学頭だった佐藤一斎先生も「重職心得箇条」の中で、3年、5年、10年先のビジョンを持つことの重要性に言及されています。
10年先の日本の人口は、約1億2000万人。問題は絶対数ではなく、その中身の年代別の構成比です。10年先の14歳以下の年少者数は約1300万人で、現在より380万人減少し、15歳~80歳までの労働者人口は8689万人で、1527万人減少します。これは、スイスとオーストリアの合計に匹敵します。10年という短い時間軸でみる人口問題は、確定した未来です。ほぼ確実にやってきます。この事実から、いかなる企業も、いかなる人も逃れることはできません。

では、これからの10年で、中小企業は何をなすべきか。私の提案は以下の通りです。
一つ目の提案は、「M脳職人」を増やすことです。M脳とは何か。マーケティング脳の事です。市場やお客様に向き合い、寄り添い、新しい事業やモノづくり、コトづくりをする「手仕事職人」人材を増やすことです。20年ほど前にブームとなった「企業内起業家」や「アントレプレナー」という考え方と同様ですが、違うのは、自らが、手仕事職人として事業家になることを選択する人材を育成することです。これからは、ホワイトカラーや管理職はそれほど必要ではありません。具体的に、事業創造できるM脳をもった職人が必要なのです。農業を始めることも、パン屋さんをやる人も、カフェを開く人、工事会社を立ち上げる人、ワイナリーを経営する人等、会社の事業と異なっていても、理念を共有していればOKです。

二つ目の提案は、日系外国人の積極的な採用を進めることです。入国管理法が改正され、日系人は日本人同様に扱われ、外国人としての一切の規制は緩和されています。言葉や習慣の違いはあるものの、これからの世界は、ユニバーサルなダイバーシティが常識になり、基本的な通訳はスマホがやってくれますので、あとは人間的なふれあいの中で共存できるでしょう。世界の日系人は300万人。彼らもまた、M脳職人に育成してゆくのです。母国に帰るもよし、一族を呼び寄せるもよし。

三つ目の提案は、沖縄市場への進出です。沖縄市場は、人口増加率では日本トップクラスで毎年1万人増加しています。また、アジアで一番近い日本としてインバウンド需要が活発です。かっての貧しさから日本最大の移民県になり、今では36万人のウチナンチュが登録されています。5年に一度、「世界ウチナンチュ大会」が開催されますが、毎回参加者が増えています。世界進出するには一番近道の市場でもあります。さらに、沖縄を中継基地としたアジア物流ハブ特区は猛烈な勢いで成長しています。例えば、今朝、北海道で収穫したジャガイモは、明日中にはアジア各国の市場に届いています。

四つ目の提案は、高校生の認知度を高め、入社希望者を増やすことです。S社は「技能オリンピック」に力を入れることで、高校生の応募が増えています。高校生が「面白い」「入社したい」と思うような事業、例えば、「ロボット競技大会」に力を入れることは、資金力のない中小企業でもできることです。

五つ目の提案は、シルバー人材の終身雇用です。今の70歳は気力共に現役並み又はそれ以上にパワフルです。75歳以上の後期高齢者でも元気ですし、体力勝負には不向きかもしれませんが、昔取った杵柄は健在です。人間は仕事をしなくなると、一気に老け込み、弱くなります。そして、寝たきりから認知症になり、家族の世話が必要になります。仕事をしている間は、そのようなことは少ないし、本人だけでなく家族も、会社も、地域も国も皆ハッピーです。消費税の納税者になり、医療費の削減にもなり、ダブルメリットです。亡くなるときも、「じゃあ、往くよ。皆、ありがとう」とキチンと家族に挨拶をしてゆかれる場合が多いです。

資金が潤沢な、大企業ではできなく事ばかりですが、トップの一存で決定できる中小企業が取り組めることばかりです。明確に見えている10年先の危機に、いま、打てる手を打とうではありませんか。

 
(C)2005 建設業経営コンサルタント 目加田経営事務所 組織活性化、売上げ向上、コストダウン、ISO取得支援、ビジョン策定のお手伝い 沖縄 大阪 京都. Powered by Mambo. Designed by MamboTheme - Mambo professional templates!